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現代パレスチナ文化の動態研究― 生成と継承の現場から ―

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現代パレスチナ文化の動態研究
― 生成と継承の現場から ―

(科学研究費補助金研究成果報告書)

本報告書は、平成22 年度から26 年度にかけて科学研究費補助金(基盤研究C)によって実施された「現代パレスチナ文化の動態研究―生成と継承の現場から―」の研究成果をまとめたものである。

この研究は現代パレスチナ文化の担い手たちの思想、実践、アイデンティティ、彼らを取り巻く政治的・経済的・社会的環境を、作品の分析だけでなく、当事者たちへの聞き取りや活動の現場の実地調査を通じて明らかにすることを目的として行われた。調査対象はアーティストおよび文化・芸術の振興や教育の分野で活動する団体とし、調査地域は当初、イスラエル領内、パレスチナ自治区、周辺アラブ諸国、欧米諸国と幅広く設定したが、次第にヨルダン川西岸地区とレバノンに焦点が絞られていった。ヨルダン川西岸地区については近年、文化センターやNGO などの活動が極めて活発であることが調査の過程で明らかになり、そうした文化関係団体の役割やネットワークを掘り下げていくことにした。一方のレバノンは、ディアスポラのパレスチナ人コミュニティの中でも特に苛酷な状況下で、パレスチナ人の文化活動や彼らのアイデンティティの現状を調べるのに最適な場であり、また西岸地区との比較においても興味深い事例になると考えた。

本書は二部構成になっており、第一部には主にレバノンでの調査を担当した研究代表者の山本薫による論文「レバノンにおけるパレスチナ文化の現状」と、主にヨルダン川西岸地区での調査を担当した研究協力者の田浪亜央江による論文「パレスチナにおける文化活動の現状―ヨルダン川西岸地区における文化関係団体の役割を中心に」を収録した。第二部の資料編には、インタビュー集とパレスチナ文化関係団体リストを収録した。インタビュー集は調査期間中に集めた大量の聞き取りデータのうち、パレスチナ文化の動向や理念の理解にとって特に示唆に富んだものを厳選した。

目次

序 ―現代パレスチナ文化のダイナミズム(山本薫)

第一部 論文編

第二部 資料編

Ⅰ. インタビュー集(山本薫)

  1. ジョージ・イブラヒム
    (アルカサバ劇団、ラーマッラー)
  2. スハイル・フーリー
    (エドワード・サイード・ナショナル音楽院、東エルサレム)
  3. スライマン・マンスール
    (パレスチナ国際美術アカデミー、ラーマッラー)
  4. オマル・カッターン
    (A.M.カッターン財団、ロンドン)
  5. ハーディー・ザッカーク
    (映画監督、ベイルート)
  6. ムウタッズ・ダッジャーニー
    (アルジャナー、ベイルート)

Ⅱ. パレスチナ文化関係団体リスト(田浪亜央江)

被占領地
  1. 東エルサレム
  2. ベツレヘム/ベツレヘム周辺
  3. ヘブロン
  4. ラーマッラー/ビーレ/ビールゼイト
  5. ナーブルス/ナーブルス周辺
  6. ジェニーン
イスラエル領内
  1. 北部(ナザレ/ハイファ)
  2. 中/南部(テルアビブ/リッダ/ネゲブ)

平成22年度~平成26年度科学研究費補助金(基盤研究C)
科学研究費補助金研究成果報告書
研究課題番号 22510257

現代パレスチナ文化の動態研究―生成と継承の現場から―

発行日 2015年3月31日
発行者 山本薫(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所共同研究員)

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