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2005.05.19

イスラエル軍がガザ南部でミサイル攻撃

Posted by:s.ando

5月18日、イスラエル軍がガザ地区南部ハンユニスでミサイル攻撃を行い、少なくとも一人が重体になっているようです。

「イスラエル軍によると、ガザのユダヤ人入植地へ迫撃砲による攻撃を準備していたところを攻撃した」というような報道が各所でなされていますが、このミサイル攻撃に先駆け、イスラエル軍がラファでパレスチナ人を殺害し、パレスチナの抵抗グループがそれに対する報復を目論んでいたというような情報があるにも関わらずなぜかそのことを記事に含んでいないところもあったりします。(殺されたからといって報復攻撃をしてもいいのかというのは、とりあえずは別の問題です)

イスラエル軍は、このような報道のされ方を期待して、またこうして実際に期待通りの報道のされ方をするからこそこうした挑発行為を続けている、続けられているというのは容易に想像できるところですが、特段利害関係もプレッシャーもないと思われる日本のメジャーなマスコミが見事にその策に踊らされているのは、不思議でならないところです。単なる怠惰なのだとしても。

また、「空爆は停戦後初めて」というような報道をしているところがほとんどですが、そのことだけを取り立てて書くと、まるで「停戦」後イスラエルが空爆以外に行ってきたことは一切なかったかのようです。

停戦後もパレスチナ人は殺されたり暴力を振るわれたりしてきましたし、入植地の建設やアパルトヘイト・ウォール(隔離壁)の建設も着々と進んでいますし、土地の強制収奪も行われていますし、数々の入植者の襲撃もありましたし、軍の侵攻と無闇やたらな逮捕作戦も続いていますし、移動の制限も相変わらずどころか先週はパレスチナ全域がほぼ封鎖状態になっていたようですし、その他の占領政策も何ら変わり映えしていないにも関わらず、それらのことには一切触れずにわざわざ「空爆は停戦後初めて」とだけ。

こういった報道の姿勢は、おそらくは「図らずも」なのでしょうが、「誤爆、誤爆」と騒ぎ立てることで、それ以外の爆撃をいつの間にか正しいものであるかのように錯覚させてしまうのと同じような効果が上がっていると思われます。

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