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2005.08.06

イスラエル軍兵士がバスで銃を乱射、4人を殺害し10数人が負傷

Posted by:s.ando

各所で報じられていますが、8月4日、イスラエルにおいてバスの中で19才のユダヤ人青年が銃を乱射し、イスラエル・アラブ(イスラエルの領土となってしまったところで暮らすイスラエルの市民権を持つパレスチナ人)4人を殺害、重体を含む10数人を負傷させたという事件がありました。

事件を起こした男性は、ヨルダン川西岸地区の入植地の中でも特に過激な集団が陣どる入植地に暮らし、イスラエル政府ですら時に取り締りをせずにはおけないほどの極右過激派組織カハに所属していた19才のイスラエル軍兵士で、目前に控えたガザの入植地撤退に関わる任務に付くことを拒否し、軍の銃を持ったまま脱走して行方不明中だったとのことです。

犯人は乱射後、「(ガザの入植地)撤退を止めるためだと首相に伝えろ。虐殺をやれば明日には警官がここに集まる。そうすれば(ガザ以外の場所に警察をくぎ付けにできて)撤退が止まる」と語ったとのこと。(asahi.com を参照)

その後犯人は、一瞬の隙をついてバスに突入した住民によって取り押えられ、ものをぶつけられるなどして殺害されたとのことです。

この青年は、上にも書いたようにイスラエル軍の兵士でした。

このような人物が、兵士としてどのようなことを行ってきたかはわかりませんが、ガザ地区やヨルダン川西岸地区で、なんら咎められることもなく、軍の任務として、今回の事件と同様の、あるいはそれ以上のむごたらしいことをパレスチナ人に対して行っていたとしても不思議ではありません。また、そのような兵士は、良い兵士、勇敢な兵士として賞賛されていた可能性すらあります。

犯人にしてみれば、それを今回はガザや西岸ではなく、イスラエル国内に暮らすパレスチナ人に対してやったというだけのことかもしれません。

ガザや西岸では、イスラエル軍や入植者が、日常的に住民を攻撃しています。

イスラエルのシャロン首相は、この事件を「罪のない市民への残忍なテロ」だとして非難する声明を出しました。


この事件の報道のされ方については、当サイト内 Staff Note:「テロ」と呼ばれるものとそうではないもの:報道(見出し)比較 に関連記事があります。

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