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2005.08.25

イスラエルが挑発を開始・イスラエル軍が西岸地区のトゥルカレムで4人を射殺

Posted by:s.ando

イスラエル政府が予定していたガザと西岸のごく一部の入植者の退去がほぼ終了したことを受けて、イスラエル軍はパレスチナへの挑発を再開したようです。

入植地の徹去に対しては、ことを荒立てることもなくできるだけ穏便に行動し、マスコミの力を借りてその苦悩ぶりを同情されることにすら成功したのと同じイスラエル軍が、8月24日、ヨルダン川西岸地区の町トゥルカレムの難民キャンプに侵攻。ここでは話題の穏便さもなりをひそめ、パレスチナ人抵抗グループのメンバー 4人を銃撃し殺害したとのことです。(後に5人が死亡、うち3人が子どもだったと報道されています)

このタイミングでのイスラエル軍によるパレスチナ人の殺害の目的を、イスラエル軍が発表した通り(あるいは報道された通り)「目的は拘束だった」と無邪気に受け取ることはできませんし、一応これは軍事作戦として行われたことなので、そこにはなんらかの命令があるわけで、ただ乱暴な兵士が殺したとも思えず、だとすればこの事件はパレスチナ人からの反発を期待しての挑発行為というごく政治的な動きと考える以外に受け取りようがありません。そしてこのような挑発作戦は、イスラエル人が攻撃された時だけ大騒ぎするマスコミの助力もあってこれまでほとんど成功してきました。

イスラエル軍は「軍が近づいたとき銃撃を受けたため応戦」した結果殺害したと発表しているようですが、抵抗グループのメンバーが集っている場所にイスラエル軍が急襲をかけておいて、まさか応戦されることを予想もしていなかったのかということもありますし、これまでもこういう時は大抵殺害してきたわけで、急襲を行うという決定をした時点で、全てのシナリオは決定されていたということなのでしょう。

(なお、事件の詳細はまだあきらかになっていません。一部マスコミが報道していますが、これまでの経緯から、こういった時にイスラエル軍の発表だけをただ無邪気に垂れ流すほとんどの大手マスコミの報道は、全く信頼できません)

追記:

後に、この攻撃によりパレスチナ人5人が死亡、うち3人が子どもだったということが一部で報道されました。

また、パレスチナの抵抗グループのひとつが、この事件を受けてイスラエルの町に手製ロケットを発射。幸い負傷者はでなかったようです。

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