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2005.11.05

東エルサレム中心部のユダヤ人入植地計画

Posted by:早尾貴紀

 11月3日付ハアレツが報じたところによると、東エルサレの中心部に新しいユダヤ人入植地の建設計画があるとのこと。場所は、旧市街から見て北側、ダマスカス門とスコーパス山(ヘブライ大がある)の中間地帯。スコーパス山上のヘブライ大は、グリーンラインのパレスチナ側にあり、事実上は「入植地」であるものの、第一次中東戦争後のヨルダンとの協定でイスラエルの「飛び地」扱い。しかし、その周囲の「フレンチ・ヒル」やホテル・ハヤートなどは、間違いなく立派な入植地である。

 そして、その地域に隣接するように、新しいユダヤ人居住地を建設する計画が、アメリカのユダヤ人富豪によって計画されており、近く申請がなされる予定であるとのこと。その一帯は、かつてはパレスチナの名家フセイニー家の所有のものであったが、67年の第三次中東戦争後にパレスチナ側を占領したイスラエルによって土地は没収され、このユダヤ人富豪アーウィン・モスコウィッツに払い下げられた。彼は、すでに東エルサレムの数ヶ所に、精力的にユダヤ人居住地を建設し、ユダヤ人の移住を押し進めているが、今度の計画は、その中でも最も東エルサレムの中心地に近く、かつ最も大規模なものであり、パレスチナ側に対するあからさまな挑発でもある。

 この計画について、エルサレム市当局は、「調査で考古学的遺跡が発見されなければ、開発は認可される」との姿勢。

 これまでも、東エルサレムの旧市街周囲では、スコーパス山とつなげるようなユダヤ人居住地域つまり入植地を開発しようという計画が持ち上がってきていた。エルサレムの「ユダヤ化計画」は決定的な段階に入りつつある。数年後にはこのあたりの景観が一変している可能性さえある。

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