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2006.06.01

ガリラヤのアラブ系市民の家で「制圧訓練」

Posted by:情報センター・スタッフ

 ハアレツ紙が昨日(31日)伝えたところによると、昨年政府の監査機関に寄せられた苦情訴えのなかに、ガリラヤ地方のアラブ・パレスチナ人(イスラエル国籍)の家が、イスラエル軍による「実戦訓練」の場として、抜き打ち的に使われているという、とんでもないものがあった。この手の訴えは毎年あるというから驚きだ。
 これはイスラエル軍が、イスラエル国内のアラブ・パレスチナ人の街・家を、占領地である西岸地区内に見立てて、パレスチナ人の家を夜中に急襲して制圧する模擬訓練に使っているのだという。より「実戦的」にするために、住人には事前には何も告げず、夜中の2時とか3時に、いきなりイスラエル兵が突入してくる。
 いくらアラブ系国民に対する差別(制度的差別や差別感情)があるとはいえ、ここまで人格そのものを否定する露骨な扱いがあるとは、あきれるばかりだ。まさに、同じ人間とはみなしていないことの証左だ。
 監査役が軍の責任者に釈明を求めたところ、「訓練の規律を厳格に適用して行なっている」とだけ応えたという。これは、解釈の仕方次第では、抜き打ち的に、住人の許諾はもちろん説明もなしに、実戦訓練の場としてアラブ人の街・家は使ってもいいことになっている、と言っているに等しい。

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