2007.06.25
東エルサレムの市民権剥奪、急増
Posted by:情報センター・スタッフ
人権団体ブツェレムが明らかにしたところによると、東エルサレムに居住するパレスチナ人の市民権が剥奪されるケースが、去年一年間で急増し、過去最高になった。その数、1363人。
東エルサレムは、イスラエルによって「併合」が一方的に宣言されているが(つまりもはや「占領地」ではないという立場)、土地のみの「併合」であり、その住民であるパレスチナ人にはイスラエル国籍が与えられず、独特のエルサレム市民権が与えられている(イスラエル国内の移動は自由だが、パスポートは発行されない)。
このこと自体がきわめて異常なレイシズムであるが、加えて、この限定的な市民権さえも、つねに剥奪の危機にさらされている。エルサレムに居住実態が認められないなどの指摘によって、市民権が取り消されるのだ。とりわけ、極右ネタニヤフ政権下にあった1996年から98年にかけては、800人〜1000人が市民権を剥奪されている。
この時期を除いては、剥奪件数は、おおむね毎年200人〜300人で推移していたが、それが2006年に一挙に1300人を越えた。内務省は、「とくに理由はなく、内務省と入国管理局の業務が効率的になされているだけ」とし、また「移民としての転出者が増えたことも一因」としているが(ハアレツ紙)、ブツェレムは、「明らかに国際法違反だ」として批判をしている。
転出者の増加は、おそらくは分離壁による生活環境の悪化などが背景にあると思われるが、これは「ソフト・トランスファー」、つまり自由意志を装った排除にほかならない。