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2008.05.22

イスラエルの公用語変更法案――ヘブライ語のみ

Posted by:情報センター・スタッフ

 現在、イスラエルの公用語は、「ヘブライ語とアラビア語」となっています。タテマエとしてはアラビア語も公用語なのです。
 このことは、アラブ・パレスチナ人が先住民であること、建国後のイスラエルの歴史のどの時点をとっても総人口の2割前後がアラブ・パレスチナ人であったことに照らして、当然のことです。
 もちろん現実的には、イスラエル内における日常生活のあらゆる面において、ヘブライ語が圧倒的に優越し、アラビア語では生活できないようになっています。しかし法権利上は、アラビア語は、ヘブライ語と等しい公用語なのです。

 ところが、最近になって、イスラエルの国会(クネセト)の議員4人の署名によって、第一公用語をヘブライ語のみに限定し、アラビア語は英語・ロシア語とともに便宜的な第二公用語に位置づけよう、という法案が提出されました。
 法案提出者である、リクードとシャスの議員らによると、「アラビア語話者とロシア語話者は、どちらも同じく100万人強。そして英語は国際的な共通言語。アラビア語は第二公用語の地位がふさわしい」。また、「アラブ人たちがイスラエルを二民族国家にしようと目論んでいるいま、ヘブライ語に特権的な地位を与えるのは緊急の課題である」とのこと。

 言語統制は植民地支配に必ずつきまとう現象です。こうした流れを注視しなければなりません。

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