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2008.09.19

西岸地区のユダヤ人入植者の横暴

Posted by:情報センター・スタッフ

 ヨルダン川西岸地区におけるユダヤ人入植地・入植者についての報道が後を絶たない。

 9月18日には、アウトポスト(前哨入植地)と呼ばれる「違法(イスラエルの占領統治令に照らしてさえ「違法」)」な入植地が一つ撤去されたことに対して、ユダヤ人入植者らが、西岸の複数のポイントで、パレスチナ人の車両やさらにはIDFの車両に対して、集団で投石するなどの暴動を起こした。
 イスラエル政府は、一方でアウトポストの撤去をしているように見えながら、9月4日のハアレツ紙の報道によると、イスラエルの占領統治令でも「パレスチナ人の私有地」にあるとされるアウトポスト(ベイト・エル北部に位置する)に対して、建造物の建設許可を出し、8世帯がすでに入居したとされる。
 一見矛盾するようにも見えるが、要するに、西岸地区のどこにでも入植地をつくりたい大イスラエル主義的入植者に対して、政府は効率的かつ戦略的に入植地の配置を計画しているということにすぎない。イスラエル政府はこの40年一貫して、極右・宗教シオニストの強引なアウトポスト設置を、後から承認するかたちで入植地拡大をはかってきた。

 また、ナブルス近郊やヘブロン近郊の過激で知られる入植者らによる、地元パレスチナ人らに対する暴行・嫌がらせも後を絶たない。さすがにイスラエル内部でも、目に余る入植者の暴挙に対しては、「西岸地区は入植者の無法地帯か」とか「入植者が西岸の統治者なのか」といった非難の声があがっている(9月15日ハアレツ紙)。
 もちろん、入植地自体が違法な存在であり、目に見える暴挙があろうがなかろうが、占領自体が暴力なのであり、イスラエルの穏健なマジョリティも、このあたりは認識の限界を露呈させているのではあるが。

 いずれ詳細・続報をフォローすることとする。

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