パレスチナ情報センター

Hot Topics

2008.11.18

バラク国防大臣(労働党首)、またも入植地拡大/労働党の終焉か

Posted by:早尾貴紀

 11月15日付けハアレツ紙によると、エフード・バラク国防大臣/労働党首が、このヨルダン川西岸地区の入植地に、ここ数ヶ月のあいだに、数十棟の住宅の建築許可を出し、またそれとは別に、すでに完成した数百戸分の入植地の住居の販売にも許可を出した。
 しかも、建築許可を出した入植地の一部は、分離壁の東側、すなわちイスラエルが併合を目論んでいる壁西側の入植地群から離れたところに位置するという。「小イスラエル主義(占領地放棄による和平)」をタテマエとしてきたはずの労働党の姿勢よりもはるかに右派的で大イスラエル主義的だと言える。
 カザ攻撃における強硬姿勢もあわせて考えると、保守反動化しているイスラエル社会の支持票を獲得しようとしている、という見方もある。

 ここに来て、第一党カディマの党首を退き、暫定首相となったオルメルト(元リクード)が、政界引退間際にとばかりに、1967年ボーダーの尊重を口にしている。これ自体、実効性ゼロの虚しいパフォーマンスだが(悪名高いハルホマ入植地をつくった張本人が何を言ってやがる!)、バラクはそれよりもさらに右傾化することで、主導権を握ろうとしている。
 だが、それなら最初からリクードがある。有権者はそこに入れればいい。実際支持率では、リクードが第一党復活の勢いだ。労働党は、「シオニスト左派」としての意義も失い、実際の得票・議席も失い、消滅するのではないかという可能性さえ語られるようになった。
 必然的な流れかもしれないが、歴史的転機とも言える。

トップページ
パレスチナ情報センター