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2009.01.15

(ガザ侵攻関連:翻訳)UNRWAの緊急避難所と爆撃された学校

Posted by:情報センター・スタッフ

ISM(国際連帯運動)による、ガザ現地レポートです。記事の下に動画があります。


UNRWAの緊急避難所と爆撃された学校

ISMレポート
2009年1月12日

UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)は、ガザ地区全域で、UNRWAが運営する学校に緊急避難所を設営している。先週、ガザ北部で、避難所となっていた2か所の学校がイスラエルの爆撃を受けるという事態が起こったにもかかわらず、今も多くの人々が、端的にほかに行く所がないという理由から、避難所を求めてUNRWA学校にやってきている。ガザ市北部ジャバリヤのアル・ファフーラ学校とジャバリヤ難民キャンプにある第2学校への1月6日の爆撃では50人近くが死亡、それ以上の人が怪我をするという大惨事となった。

ラファには、市の中心近くにAとBの2つのUNRWA男子小学校があるが、現在ここは2000人近くの人の仮住まいになっている。この2つの学校が緊急避難所となったのは、エジプトとのボーダーに隣接する一帯を全面攻撃の対象とするというイスラエル軍の告知を受けて、何千人もの住民が家から逃げねばならなかったからだ。ひとつの学校に避難している家族の多くは、ラファ市のはずれにある今は機能していない空港の近くに住んでいた人たちで、現在、この空港は、1月3日の地上侵攻開始以来、イスラエル地上軍の基地になっている。ISMガザ地区のメンバーが今日、このふたつの学校を訪れ、国連スタッフと避難している何家族かに話を聞いた。アムシ一家は現在、15人の家族が1つの教室で暮らしている。

ISMメンバーはまた、ラファのUNRWAの倉庫に行って、地区担当職員の話を聞いた。職員の説明によれば--現在、ガザに入ってきている食糧その他の物資は、この危機的状況には絶対的に不足している。これまでUNRWAが通常扱ってきた量は1日当たり2000トンだが、現在は1日200トンの援助物資しか搬入を許可されていない。ストックは少し前に底をつき、今は、日に200トン、ガザに入ってくるわずかな食べ物だけでやっていくしかない。入ってきたものは何であれ、即刻配給に回されている--という状況である。

1月11日の午前3時ころ、イスラエルのF-16ジェット戦闘機が、ラファ市北東部、ヘルバート・アル・アダス地区のタハ・フセイン・ストリートにある「孤児たちのためのダール・アル・ファディーラ協会」の複数の建物を爆撃した。ここには、学校、カレッジ、コンピューター・センター、モスクがあった。いくつものビルが、一部が完全に破壊されたり使いものにならないほどの損傷を受けたりした。この協会の学校は、およそ500人の障害を持つ子供たちの支援をしていた。12月27日以来、ガザ全域で20に近いモスクが破壊・大規模な損傷を受けている。ISMガザは破壊状況の記録をとりつづけている。

ラファの赤新月社救急車ステーションは、エジプトとのボーダーに近いテル・ゾロブ地区から、市の反対側に位置するヘルバート・アル・アダス地区に移動することになった。テル・ゾロブが現在攻撃対象になっている地域にあるためで、新しい場所への移転は一刻を争う状況となっている。ガザ地区への空爆・侵攻が始まって以来、多数の救急車がイスラエル軍に攻撃され、これまでに13人の医療関係者が殺されている。

動画:UNRWA emergency shelters and bombed schools


原文:"UNRWA emergency shelters and bombed schools"
ISM Features
January 12, 2009

ISM(国際連帯運動)

翻訳:山田和子

(転送・転載・その他の利用可)

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