2009.02.21
映画『シリアの花嫁』、今日からロードショー
Posted by:早尾貴紀
イスラエル/パレスチナ/シリアの複雑な現実を舞台とした映画 『シリアの花嫁』 が、今日(2月21日)から 岩波ホール(東京) でロードショー開始(〜4月下旬まで)。3月以降、全国で公開されます。
この映画は、「ドルーズ」と呼ばれるイスラエル/シリア/レバノンにまたがって/分断されて居住する少数民族、とりわけ67年の第三次中東戦争によってイスラエルが占領したシリア領ゴラン高原のドルーズの村を舞台にした劇映画です。僕がエルサレム滞在をしていた04年に公開され、話題となりました。
そして昨年、ドルーズ研究を専門とする本人もドルーズの学者であるカイス・フィッロ氏をハイファ大学から日本に招聘した際にも、英語字幕版を使用してこの映画を上映、討論会を開いたこともありました。
このたび、この映画が日本語字幕で観られることになったのを喜びたいと思います。
イスラームのなかの異端宗派であるドルーズはマイノリティ中のマイノリティですが、だからこそイスラエル/パレスチナ/アラブ問題の矛盾がそこに集中するという面もあります。
僕自身は、実は02-04年にかけてエルサレムでガリラヤ出身のドルーズの学生とフラットメイトとして、友人としていっしょに住んでいた経験もあることも手伝い、ドルーズ問題については、ひとかたならぬ関心を寄せてきました。
当情報センターのスタッフノートも含めて、ドルーズ関係のことはたくさん書いてきました。イスラエル/レバノン間で分断されだドルーズの村を舞台にした映画を紹介したこともあります。
以下にリンクを貼っておきます。
「こんな国とはオサラバだ!ーーイスラエルの中で、パレスチナ人であることの困難」
「ヘブライ大より25:イスラエル・アラブのアイデンティティ」
スタッフノート 「ドルーズの兵役拒否について」
イスラエル/レバノン間のドルーズについての映画を論じたものが、
スタッフノート 「映画『凧』ーー国境に分断されたドルーズ」
また、知人に翻訳をしてもらい、僕が補注を入れたものとして、
「ドルーズの良心的兵役拒否者(News from Within2004-no.4より)」
さて、今度の映画『シリアの花嫁』については、、、
まだ公開初日です。ネタバレになるような解説や批評はまだ控えておきましょう。いずれスタッフ・ノートのほうにしっかりと書きたいと思います。
まずは映画を観にいってください。
「日本で唯一のドルーズについての概説書」 (早尾貴紀:本のことなど)も参照。