2009.06.11
東エルサレム包囲網はますます狭まっている
Posted by:情報センター・スタッフ
イスラエル「併合」下にある東エルサレム(ヨルダン川西岸地区パレスチナの一部でありながらイスラエルが占領のみならず土地の「併合」を一方的に宣言しつつパレスチナ人住民を弾圧している)の危機的状況がますます悪化しており、さまざまな問題が顕在化している。
まずは、東エルサレムの中心的繁華街、しかも旧市街隣接地でダマスカス門からほど近い場所に、エルサレム市当局主導で、既存のパレスチナ人の市場や幼稚園を撤去して、ホテル&ショッピングセンターを建設する計画がぶち上げられている。
言うまでもなく、東エルサレムを中心から「ユダヤ化」していく計画の一環だ。
1980年の併合宣言以降、「大エルサレム計画」に乗って、郊外にユダヤ人入植地がどんどん建設されてきたが、近年では、旧市街周囲でのユダヤ人による入植や開発が増えてきている。
日本政府は、イスラエルと経済関係を強化する前に、こうした明白な国際法違反や人権侵害に対しては、断固たる抗議を示すべきだ。
また、イスラエルは、東エルサレムにおけるパレスチナ人の文化活動に対する統制も強めている。
具体的に最近の出来事では、ローマ法王のイスラエル訪問問題でのジャーナリストの集会が排除されている。また、日本語訳もある世界的なスウェーデン作家ヘニング・マンケルと、モンティ・パイソンのメンバーであるマイケル・ペイリンによるイベント会場である、アル・ハカワーティー文化センターが突然警察隊によって封鎖され中止に追い込まれた(アル・ハカワーティーは東エルサレム旧市街から近いところにある中心的な文化ホール)。
政治的権利の剥奪、経済的な被従属下から、さらには文化統制へ。エルサレムをパレスチナから奪い取る政策が、さらに一段階ギアを上げられた。
(6月1〜5日のイスラエル/パレスチナの報道より)