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2009.07.04

臼杵陽監修/赤尾光春・早尾貴紀編『ディアスポラから世界を読む』刊行

Posted by:早尾貴紀

 臼杵陽(監修)/赤尾光春・早尾貴紀(編)『ディアスポラから世界を読む――離散を架橋するために』(明石書店、2009年)を刊行しました。    (カバー折り返しより)
    「ディアスポラ」から世界を読み解く。
    西洋近代において周縁化された
    ユダヤ、アルメニア、カルムイク、ブラック・アトランティックから、
    東アジアの歴史空間を浮動する
    回族、華僑、朝鮮、在日、沖縄・奄美まで、
    国民国家に回収されない人びとの離散を架橋する、
    脱領域的「ディアスポラ学」の試み。

 パレスチナ/イスラエル研究の第一人者である臼杵陽氏に監修論考を寄せていただいたほか、パレスチナ問題に関わる論考としては、編者二人による、
◆第一章 追放から離散へ――現代ユダヤ教における反シオニズムの系譜(赤尾光春)
◆第五章 ディアスポラと本来性――近代的時空間の編制と国民/非国民(早尾貴紀)
があります。
 前者はユダヤ教に内在的な視点からこそ、シオニズム・イスラエル国家を根底的に批判する試み。後者は、近代ヨーロッパ思想史の文脈から、反ユダヤ主義と、その副産物としてのシオニズムと、さらにその副産物となるパレスチナ難民問題とを、一貫した視点から分析する試み。
 また、第四章「ユダヤ・ディアスポラとブラック・ディアスポラ――比較・類比・鏡」(浜邦彦)も、ガザ攻撃とホロコースト問題に触れる重要な論考です。

 他にも本書は、二部構成で、東アジア地域のディアスポラについての論考も充実しており、世界史像の再構築を意図した積極的な試みです。ぜひお買い求めください。
 目次などの全体の詳細は ここを参照

 また、本書刊行を機に、合評会シンポジウムが、7月26日に東京で開催されます。詳細は ここを参照

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