2010.06.02
無惨極まる、日本政府・外務報道官の談話
Posted by:情報センター・スタッフ
ガザ自由船団への攻撃・虐殺についての、日本政府・外務報道官による恥ずべき談話を転載します。
外務報道官談話 イスラエル国防軍と活動家との衝突について 2010年5月31日
- ガザへの支援物資を積載していた船団に乗船していた人々が,イスラエル軍との衝突により犠牲になったとの報に接し,衝撃を受けました。このように多数の犠牲者が生じたことは極めて遺憾です。我が国は,今回の痛ましい事態を招いた暴力的行動を非難します。
- 犠牲者の御遺族に深甚なる哀悼の意を表します。我が国として本件に関する徹底した調査がなされ,事態が究明されることを求めます。
- 我が国として,すべての関係者に対し,暴力の連鎖を惹起しないよう,行動の自制を強く求めます。
国際的な人権団体による支援物資運搬船に対する一方的攻撃にもかかわらず、「衝突」という認識(朝日新聞も「衝突」と書いていましたが)。そしてまた、「暴力の連鎖」(を防がなければならない)、という認識。
日本政府・外務省の知性と感性を疑わせるに余りある無惨な談話です。
ここには、そもそもガザ地区が長期的に封鎖されているという人道危機こそが問題の根幹なのだ、という基本事実が欠落しています。
また、公海上で民間船が軍事攻撃を受けて、多数の民間人の死傷者を出したのだという基本認識が欠落し、逆に、イスラエル政府の立場に対するきわめて慎重な配慮が突出しています。
こうした政府の姿勢こそが、最終的にイスラエルの占領・封鎖を正当化させ、継続を許すことになっているのだと言わなくてはなりません。