情報募集
関連文書 参考リンク 地図で見る「平和と繁栄の回廊」構想 意見書サンプル
「平和と繁栄の回廊」構想の原則的批判の再確認 関連本の紹介も 早尾貴紀(パレスチナ情報センター/スタッフ・ノート)
ストップ・ザ・ウォール・キャンペーンによる JICA(国際協力機構)のヨルダン渓谷開発提案に対する意見書 の翻訳を公開
JICA「プロジェクト基本情報」 ヨルダン渓谷農産加工・物流拠点整備計画F/S調査
「平和と繁栄の回廊」構想第3回4者協議閣僚級会合開催
→【資料】「平和と繁栄の回廊」構想第3回4者協議閣僚級会合(外務省)
回廊構想を請け負う日本工営についての記事
「過去の克服」としての開発批判─開発コンサルタント企業を軸として─ 成瀬謙介
真の支援への転換は可能か? ファトヒ・クディラート (大月啓介)
パレスチナのNGO ストップ・ザ・ウォール・キャンペーン が、「平和と繁栄の回廊」構想についてのブリーフィングを公開。
【PDFファイル】
Briefing on the Japan International Cooperation Agency's development proposals for the Jordan Valley
(英語/PDFファイル/約677KB)
2006年7月に小泉首相(当時)が中東を訪問した際、提案されたもので、ヨルダン渓谷に域内協力で「日本・イスラエル・パレスチナ・ヨルダン4者の協議体を立ち上げ、日本のODAを戦略的・機動的に活用しつつ、域内協力の具体化に取り組む」ことで、「繁栄する」地域を作ることを意図している。具体的にはヨルダン渓谷西岸側に農産業団地を設置することなどが構想されている。この構想の「基本的考え方」には、「持続的な和平実現のためには、『平和の配当』を人々にもたらし、当事者間の『信頼醸成』を促進することが重要」だということがあると外務省のサイトでは説明している。
……日本政府のお金は、まったく無駄になるか、あるいは占領・併合の継続を前提としたうえで、イスラエルの利益に即すように使われる、ということになるのではないか。この確固とした占領下の現状で、イスラエルによる支配構造の枠組みに触れることなく、パレスチナの産業発展に寄与することは、この回廊構想ではそもそも不可能なのではないか。 全文を読む
……「パレスチナ人に雇用をもたらすことで少しは地元貢献になるかもしれない、などという発想は絶対にしないでほしい。それは罠だ。経済効果がかりにあるとしても、それはパレスチナ人を低賃金で働かせてイスラエル企業をいっそう儲けさせるという仕組みのうえに成り立っているだけでなく、それが占領構造を是認し強化するものだ。そのことをわれわれは強く懸念している。占領を正当化したり隠蔽したりしないでほしい」 全文を読む
……占領という最大の問題が存在することに言及すらしないまま、パレスチナ人のための「平和の配当」を生み出すための農産業団地を設置するなどという構想は、占領の継続への側面支援(イスラエル国家も参加する協議会を設置し、日本政府が資金も出すという計画だ)となるのと同時に、その占領下でパレスチナ人労働者を搾取する新たな構造を創り出すことになりはしないだろうか。 全文を読む
「平和と繁栄の回廊」構想で開発が予定されているヨルダン渓谷地域の地図と解説。地図は、日本の政府とJICAが開発援助しようとしている地域に国際法に違反するイスラエルの「入植地」や「イスラエル人専用道路」が多数存在していることを示している。 全文を読む
「平和と繁栄の回廊」構想への意見をまとめたサンプルです。関連機関に対して意見書を書く際の参考としてお使いください。 全文を読む
パレスチナ西岸地区にある人権団体アル・ハックが「土地の日」に、「ヨルダン渓谷における開発プロジェクト」への懸念を表明する声明文を発表。 全文を読む
【「平和と繁栄の回廊」構想基本文書】
【外務省:その他の関連ページ】
【「平和と繁栄の回廊」構想関連ページ】
【JICA:その他の関連ページ】
地図は 外務省:「平和と繁栄の回廊」創設構想 より
【地図 2】は、【地図 1】において赤い破線で囲まれている開発援助予定地域の現状を示す地図。
【地図 2】から、日本の政府とJICAが開発援助しようとしている地域に、占領地に恒久的な変化をもたらすことを禁じる国際法に違反するイスラエルの「入植地」が多数存在することがわかる。さらに、同じく国際法的に違法でありかつ人種差別的な「イスラエル人専用道路」網や、パレスチナ人の移動を制限するための検問所や監視塔や道路封鎖によって、パレスチナ人の生活圏が小刻みに寸断されていることもわかる。パレスチナ人の移動は2005年からさらに厳しく制限されるようになってきている。また、イスラエルが現在、国際法に反して西岸地域に作っている隔離壁(分離壁)が、この地域にも延長されようとしていて、他の西岸地域からさらに切り離されていくことが予想されている。
また、この地域の大半は、イスラエル政府が行政と治安管理を支配するいわゆる「C地区」で、イスラエルによる完全な軍事占領下にある。1967年に採択された国連安保理決議242号は、「戦争による領土の拡大は認められない」として第3次中東戦争で占領した地域から撤退するようイスラエルに求めている。しかし、イスラエル政府は、2005年のシャロン首相発言に続き、シャロンの後に首相になったオルメルト首相発言でも、この地域は「恒久にイスラエルのもとにある」と「宣言」している。
現状では、国連安保理決議を無視した軍事占領下にあり、なおかつ国際法上違法な入植地が点在し、特定の人々の自由が剥奪された地域の開発を日本政府が行なうこととなる。
「平和と繁栄の回廊」構想によって、このような現状が恒久化し、イスラエルによる占領政策とそれにともなうパレスチナの植民地化がより強固なものになっていくことが懸念される。大きな地図
「平和と繁栄の回廊」構想への意見をまとめたサンプルです。意見書を書く際の参考としてお使いくださればと思います。(「パレスチナ情報センター」では、下記の内容の意見書を各所に送付しました)
内閣総理大臣 安倍晋三 様
外務大臣 麻生太郎 様
外務省 中東アフリカ局長 奥田紀宏 様
JICA理事長 緒方貞子 様
イスラエルのツィピ・リブニ外務大臣が来日し、政府およびJICA理事と日本政府が提出している「平和と繁栄の回廊」構想を巡って話し合いがもたれたようですが、この構想には懸念すべき点があまりにも多いと言わざるをえません。
現在、この「平和と繁栄の回廊」構想が対象にしているヨルダン渓谷西岸側は、イスラエルの占領下に置かれており、それ自体が国連決議に反するほか、国際法に照らせば違法であるユダヤ人入植地が散在し、パレスチナ人の移動は厳しく制限された状態にあります。
イスラエル政府首脳陣は、繰り返し「ヨルダン渓谷は恒久的にイスラエルのものとなる」という発言を繰り返し(2005年シャロン、2006年オルメルト)、この地域の入植地拡大は現在も進められています。
その状態を放置したまま、農産業団地による開発を援助しても、それは現にある占領を固定、補強するものになりかねないと考えられます。そのような占領地での開発援助は国際法違反となる可能性もあります。
そして、実際にその農産業団地によって、パレスチナ人にどのような利益があるのでしょうか。
「二国家構想の実現には、持続的な経済開発を伴う、健全なパレスチナ国家をイスラエル、ヨルダン等近隣諸国との協力を得て樹立することが不可欠。」とこの構想のプレスリリースにはありましたが、ヨルダン渓谷地域のイスラエルの占領をそのままにしてはパレスチナの従属状態は深められるばかりで、パレスチナが国家として成立することも、持続的な経済基盤を持つことも不可能だと思われます。
イスラエルの占領を問題にしないかぎり、この構想には根本的な欠陥があると考え、構想の取り消し、または抜本的な見直しを求めます。
(氏名)
Fax:03-3581-3883
総理官邸ホームページ「ご意見募集」
Fax:03-5501-8430
外務省:ご意見メールフォーム
Fax:03-5352-5446
JICA:ご意見メールフォーム
パレスチナ情報センターでは、「平和と繁栄の回廊」構想に関する情報を募集しています。
また、この構想の直接・間接の関係者の方からの異論・反論も募集しています。
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